ギャラント反射について

小児学

ギャラント反射について

ギャラント(ガラント)反射とは、出生直後から見られ始める原始反射の一つです。

原始反射には様々な反射がありますが、ギャラント反射もそのうちの一つです。

名前だけではどのような反射なのかイメージがつきにくいですが、簡単に紹介してきたいと思います。

ギャラント反射は誰しも必ず出現する大事な反射

ギャラント反射とはどのような反射かというと、産まれたばかりの赤ちゃんをうつ伏せの状態にします(産まれたばかりの赤ちゃんは頭部のコントロールが十分ではないので気をつける必要があります)。

その後、背骨の両側のふくらんだ筋肉(脊柱起立筋)をピンなどでこすることでこすった側の背中がピクッと力が入る反射です。

言葉で表現すると分かりづらいですが、下の写真を見ていただくと分かりやすいと思います。

まず、赤ちゃんをうつ伏せにして頭部をまっすぐ下に向けます。

その後、背骨の横の筋肉をピンで刺激します。

ピンで刺激した側の背面が動き、頭部も同時に横を向きます。

これがギャラント反射です。

この反射はどの赤ちゃんにも必ずある一定の期間は出現する反射で、おおよそ在胎24週から生後2~3ヶ月の間に消失していきます。

原始反射全般に共通することですが、このギャラント反射も出生後頭部のコントロールが可能になるにしたがって次第に消失していきます。

ただ、ギャラント反射は頭部のコントロールが可能になれば消失していくのではなく、背中が頭部のコントロールとともにうつ伏せで伸展してくる時期である生後3ヶ月の終わり頃に消失することが多いです。

そのため、頭部のコントロールが可能になることで消失していく他の原始反射よりも少しだけ消失の時期が遅くなりやすく、お子さんによっては残存する期間が長い場合もあります。

逆に言うとこの反射が出現するということは、頭のコントロールが十分ではなく背筋(体幹)のコントロールもまだ十分に出来上がっていないということが言えます。

出生後2~3ヶ月の間にこの反射が出現することで、頻繁に頭部や背筋(体幹)が無意識に左右方向に動かされます。その影響により、無意識のうちに頭部・体幹の筋活動が起こり、出生後に重力下で身体運動がスムーズに発達していきます。これが他の原始反射と同様に発達の初期段階においてとても大事な反射と言えるのです。

ギャラント反射が残ることでどのような影響があるのか?

このように発達においてとても重要な反射なのですが、残存してしまうとある運動発達が阻害されてしまいます。

具体的には、寝返りや起き上がりなどの身体動作、座位や立位などの姿勢を保持するために必要な左右対称的な身体のコントロールが難しくなってしまいます

特に脳性まひの方はギャラント反射が残りやすく、頭部のコントロールや左右対称な体幹の伸展(反り上がる動作)活動が不十分になります。

タイプ別でいうと、身体活動が重度になりやすい痙直型四肢麻痺やディスキネティック型(アテトーゼ型)四肢麻痺の方に反射が残っていることが多いです。

まとめ

このように、良くも悪くも身体運動発達に大きく影響を与える可能性がある反射ですが、必ずしもギャラント反射の影響のみで身体運動発達が遅れてしまうわけではありません。

在胎24週頃から生後2~3ヶ月までに消失し、背中を刺激された側に頭部が回旋し背筋も同時に動いていきます。

この動きが無意識に起こることで、出生後重力にさらされたときにもスムーズに動くことが出来るようになり、その後の身体運動発達へとつながっていきます。

原始反射には様々な反射がありますが、一つ一つその反射の意味を考えることで発達をより詳しく理解できると思います。

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