外反母趾や扁平足に対する理学療法のポイントを解説

リハビリテーション

外反母趾や扁平足といった足部の機能障害は臨床上よく遭遇する症状の一つです。いろんな教科書を見てもポイントとして内側縦アーチの落ち込みがあり、そこに対してのアプローチが記載されています。しかし、内側縦アーチのアプローチのみで改善した症例は少ないです。そのポイントについて解説していきます。

なぜ外反母趾や扁平足になってしまうのかを考えよう

外反母趾や扁平足では多くの場合、舟状骨が落ち込み、踵骨や前足部の回内を伴います。そのためまず舟状骨を持ち上げ、内側縦アーチの機能回復を図ろうとする文献が散見されます。アプローチとしては母趾屈筋や母趾外転筋促通のためのタオルギャザーや足底板が一般的ですね。

しかし、ここで考えてみてください。なぜ内側縦アーチは落ち込んだのでしょうか?多くの教科書で紹介されている内側縦アーチを持ち上げるというアプローチも必要なことではあります。ただ、内側縦アーチが落ち込んだから外反母趾・扁平足になっている、だから内側アーチを持ち上げるというのは、結果に対してのアプローチであり、その原因に対してのアプローチではありません。

そのような患者さんには必ず内側縦アーチが落ち込んでしまった原因が潜んでいます。そのような原因を取り除くことをせず内側縦アーチを持ち上げようとしたところで持ち上がるわけはありませんし、改善は見られません。

家で例えれば、土台が崩れてしまっているのに、上物の家を直したところで崩れてしまうのは想像がつくかと思います。それと同じように、まずは内側縦アーチが落ち込んでしまった原因について統合と解釈を行うようにすることが重要です。

内側縦アーチが落ち込む原因を考えよう

内側縦アーチの落ち込みを考えていく上で重要なのが足圧中心(COP)を考えることが重要となります。通常、歩行時COPは踵接地の後外側を通り、母趾球に向かって抜けていきます。このCOPの変位が外側、つまり外側縦アーチを通らず、母趾球に直接向かっていくとどうなるでしょうか?

踵骨や前足部に回内モーメントが生じ、内側縦アーチが落ち込むようなアライメントを呈してしまいます。また、踵骨が回内してしまうため足部全体の剛性が弱くなってしまい、結果として内側縦アーチの落ち込みが生じてしまいます。

赤色:通常のCOP変位
白色:外反母趾、扁平足でよくみられるCOP変位

このようなCOPの変異が内側縦アーチの落ち込み、ひいては外反母趾や扁平足の原因となってしまいます。つまり、直接内側縦アーチを持ち上げる前にこのCOP変異をコントロールする練習が必要となります。

歩行時のCOP変異を外側へ戻すためのアプローチ

上述した通り、COPの変異が外側縦アーチを介するように元に戻せば内側縦アーチへかかる負荷を軽減させることができます。

・股関節・骨盤帯からアプローチしてみよう

COPが内側へ変位している場合、体幹のCOCも内側へ変位している可能性が大きくなっています。そのため、中臀筋を中心とした股関節・骨盤帯からアプローチすると効果がある場合があります。そのような症例では外反母趾・扁平足といった症状のほか、デュシャンヌ歩行やトレンデレンブルグ歩行といった中臀筋不全の歩行が見られます。中臀筋の延伸性収縮からCOG・COPをコントロールすることを考えてみても面白いですよ。

・踵骨の回外を促す

歩行時、踵接地から踵骨が回内し、その後徐々に回外していくことで足部の剛性が高まっていくことはご存知かと思います。しかし、外反母趾・扁平足のような症状を呈していて母趾球にCOPが変位していく患者では踵骨の回外が出てこない可能性が高くなっています。

まず踵骨回内に陥っている原因はなんなのか?筋力低下によるものか、単純な可動域制限によるものかまずは評価しましょう。こう足部の安定化に関わる下腿三頭筋や後脛骨筋の機能不全などいろいろ可能性はありますので、評価して見極めてください。

まとめ

外反母趾や扁平足は足部の痛みだけでなく、運動連鎖から膝など悪影響を及ぼします。安易に内側縦アーチのみに着目するのでなく、そこの至った原因に目を向けることでいろんなものが見えてきます。ぜひ参考にしてみてください。

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