棘下筋の機能解剖について解説!

リハビリテーション

棘下筋は肩の回旋筋腱板(ローテーターカフ、以下腱板)の一つで、外旋の機能を有します。しかし、角度によっては棘上筋の機能を代償し、屈曲に関わることをご存知でしょうか。この記事ではそんな棘下筋の機能解剖について解説します。

棘下筋の解剖学

棘下筋は肩甲骨の後面、肩甲棘下窩から上腕骨後面を通り、大結節へ付着しています。前額面上で上腕骨の後方を通っているため、水平面から見れば肩関節軸の後方を走行しています。そのため、上腕骨大結節を後方へ引っ張る形になるため、肩甲上腕関節において上腕骨を外旋させる働きを持ちます。

腱板の働きとしては肩の動作よりも、上腕骨を関節面へ引きつける働きが重要となります。この働きによって三角筋をはじめとした肩関節の、いわゆるアウターマッスルが安定して働くことができます。この共同動作をフォースカップルと呼びます。

特に棘下筋は後方で緊張することで壁の役割を果たすため上腕骨の後方への移動を制限し肩関節の安定に寄与します。逆に言えば棘下筋が固くなってしまえば上腕骨の後方への動きが過剰に制限され、上腕骨の転がり・滑りが制限されます。

柔らか過ぎても固すぎても壁としての機能が正常に働かないため、適切な硬さを維持するということは重要です。

また、棘下筋は上下に大きな筋肉なため上部繊維と下部繊維とに分けることができます。

この違いについては後述します。

上部繊維と株繊維の働きに違いはあるの?

上部繊維と下部繊維はその走行が違います。筋肉は停止側から起始側に向かって動きますので、走行が違えばその働きも変わってくるのは想像できるかと思います。(棘下筋以外にも、大内転筋も位置によって作用が違うのは有名ですね)

棘下筋の上部繊維はよく見れば上腕骨の運動軸の上を通って大結節に付着します。

上腕骨の運動軸の上を通って大結節に付着する筋肉で有名なものは何でしょうか?

そうです、棘上筋です。棘下筋の上部繊維は1st外旋の作用が主な働きではありますが、その構造上棘上筋の作用も補助します。

純粋な外転の動きでなく、やや屈曲位からの外転で特に棘下筋が直線の走行になるため、より棘上筋の動きを補助します。

下部繊維に関しては上腕骨運動軸の下を通って大結節に付着します。

つまり、付着部である大結節を外旋させつつ、下方へ引っ張るということになります。下方に引っ張るということは外旋でも2ndでの外旋作用が強いということです。

それだけでなく、上腕骨が挙上位にあるとき下方かつ後方に引っ張るので、挙上の際に骨董を関節面に引きつける働きがあります。これは特に屈曲90°以上でこの働きが強くなると言われています。

このように棘下筋といえば外旋のみに作用するイメージが強い人も多いですが、上部繊維は下垂位での棘上筋後部繊維を、棘下筋下部繊維は90°以上の屈曲にも作用します。

これは例えば棘上筋断裂が起きた患者さんの代償動作を獲得する上で重要になります。この働きのように腱板はそれぞれがお互いをなんとかカバーできるように働きます。

棘下筋の外旋時のフォースカップルで重要な筋は?

動作筋で考えれば最も重要な筋肉は三角筋後部繊維です。

外旋作用や水平伸展の際に棘下筋のアウターマッスルとして最も大きな力を発揮します。走行も似ていますしね。

安定化する支持金としてのフォースカップルで重要な筋肉は肩甲骨内転筋群、つまり菱形筋や僧帽筋中部・下部繊維です。

肩関節を内転する際に大結節を肩甲骨の方へ引きつけますが、上腕骨を固定したリバースアクションを考えると肩甲骨は逆に大結節の方へ動く、つまり外転の動きをします。

そのため、肩関節を外旋しようとすると肩甲骨の外転モーメントが必ず作用しますので、それを相殺する肩甲骨内転筋の収縮は非常に重要です。

まとめ

棘下筋の働きについてまとめました。棘下筋以外の腱板の働きも重要で、それぞれがしっかりと働くことで肩関節は安定します。その中でも棘下筋は繊維によって様々な働きをする面白い筋肉です。この記事を参考にしながら臨床を進めてもらえると幸いです。

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