脳性まひにおけるタイプ分類と身体分布について

リハビリテーション

脳性まひにおけるタイプ分類と身体分布について

脳性まひは、その臨床像の多様さから麻痺のタイプがいくつかに分かれており、麻痺の身体分布も様々です。

今回は脳性まひにおける麻痺のタイプ分類と身体分布について考えていきたいと思います。

脳性まひの麻痺のタイプは主に3つに分かれる

1.痙直型

最も典型的な麻痺のタイプで、脳性まひの中でもこのタイプが最も多いです。

身体症状は成人の方の脳梗塞や脳出血などから起こる痙縮と似たような症状が見られますが、脳性まひは先天的な疾患なので麻痺の回復段階がありません。

ただ、産まれたばかりの乳幼児期の頃はそれほど麻痺症状があるわけではなく、痙直型特有の他動時における抵抗感が見られないことも多いのが特徴です。

これは出生直後の段階では自発的な身体動作がまだ確立されておらず、意識的に身体を動かそうとすることがまだ十分に確立されていないためではないかと考えられています。

成長とともに徐々に自発的な身体動作が行えるようになってくると、麻痺の身体分布によってそれぞれパターン化された身体動作が見られるようになってきます。

主な運動パターンは、上肢は各関節いずれも屈曲方向への動きが多く、下肢は各関節いずれも伸展方向への動きが多く見られます。

また、体幹中枢部は活動性に乏しい場合が多く、身体動作時に不安定な体幹部分を代償するように四肢が過緊張状態になることも特徴です。

2.ディスキネティック型(従来のアテトーゼ型)

従来分類されていたアテトーゼ型で、現在はディスキネティック型と言われています。

さらにディスキネティック型から2つに分かれて、ディストニック型とヒョレオアテトーティック型に分かれます。

ディスキネティック型の身体動作の特徴は、体幹中枢部の不安定さがあり不随意運動が常に四肢の分離的な運動を難しくするという特徴があります。

その中でもディストニック型はより重度になりやすいタイプで、どちらかというと筋緊張が高い状態が持続しながら不随意運動の変動がみられるといった症状があります。

ヒョレオアテトーティック型は、ディストニック型より基本動作能力は比較的高いですが、不随意運動の幅が大きく常に身体が動いているような筋緊張の変動がみられます。

またどちらのタイプにも言えることですが、麻痺の症状が下肢だけとか一側の上下肢だけということはなく、四肢・体幹全てに及ぶことがほとんどです。

3.失調型

失調型は小脳性の運動失調麻痺を呈することが多く、ディスキネティック型と同様で四肢・体幹全てに及びます。

臨床像としては、基本動作能力は比較的自立している場合が多く一見するとそれほど麻痺症状は見られないこともありますが、不安定な場所での歩行時にフラフラとバランスをとることが難しかったりすることが多いです。

また、各動作時においてもぎこちない動きが多く、サッカーやキャッチボールなどの応用動作が難しかったりします。

脳性まひにおける麻痺の身体分布は?

1.四肢麻痺(quadriplegia)

四肢(上肢・下肢)に麻痺がみられ、四肢だけでなく、体幹部分のコントロールが乏しいことが多いです。また、座位保持や起き上がり自体が困難であることが多く、摂食嚥下機能の低下や脊柱側弯を合併したりなど身体的に重度になりやすいという特徴があります。

2.両麻痺(diplegia)

両側性に麻痺がみられ四肢に麻痺が及んではいますが、麻痺の程度は上肢に比べて下肢により麻痺の症状が重くみられます。

四肢麻痺との区別は、上肢操作が両麻痺の方が比較的可能であるということです。

3.三肢麻痺(triplegia)

四肢に麻痺が及んでいますが、そのうち三肢に麻痺が強くみられます。主に両側の下肢と一側の上肢の麻痺が多いです。

4.片麻痺(hemiplegia)

一側の上肢と下肢に麻痺がみられます。下肢よりも上肢の方に麻痺症状が強く見られる場合が多いです。

5.対麻痺(paraplegia)

両下肢のみの麻痺がみられます。両上肢は機能的に問題ない状態ですが、麻痺の程度によっては体幹部分の支持性が十分ではない場合があるので、上肢を支持に使用していることも多いです。脳性麻痺ではなく、脊髄性の疾患(二分脊椎など)に多くみられます。

6.単麻痺(monoplegia)

四肢のうち、一肢のみに麻痺がみられます。脳性麻痺自体にはあまりみられませんが、末梢神経性の疾患に多くみられます。

まとめ

脳性まひのタイプごとによってそれぞれ臨床像も違いますし、麻痺の身体分布も変わってきます。

痙直型脳性麻痺:身体分類は幅広くみられ、発生の割合は脳性まひの中で最も多く全体の約75%を占めます。

ディスキネティック型脳性麻痺:四肢麻痺がほとんどで、全体の約3%を占めます。

失調型脳性麻痺:四肢麻痺がほとんどで、全体の約6%を占めます。

この他にもそれぞれのタイプを混合した脳性まひもあり、約15~6%を占めています。

まずはしっかりタイプごとの特徴と身体分布を把握できるようにしましょう!

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