腰椎椎間板ヘルニアに対するハムストリングスのストレッチについての検討

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腰椎椎間板ヘルニアに対するハムストリングスのストレッチについての検討

腰椎椎間板ヘルニアは臨床でも遭遇することも多く、学生が臨床実習で担当することの多い疾患の一つです。骨盤の前傾を制限するハムストリングスは治療対象になりやすいのですが、柔軟性を出すために単純なストレッチを繰り返す若いPTがいることも事実です。柔軟性を出すために、どのようなことを考えていくべきか検討していきましょう。

なぜ腰椎椎間板ヘルニアでハムストリングスが治療ターゲットとなるのか

腰椎椎間板ヘルニアは腰椎が屈曲することで椎間板へ圧迫ストレスが生じ、髄核が後方へ変位もしくは脱出することで後方の脊髄や神経根を圧迫することが原因で痛みや痺れといった症状を引き起こします。

そもそも腰椎の屈曲も前傾姿勢の際に、腰椎骨盤リズムの破綻が原因となることが多いです。

腰椎骨盤リズムにおいて特に骨盤帯の前傾が生じないため、代償的に腰椎の過剰屈曲が生じ、椎間板への圧力が大きくなることで腰椎椎間板ヘルニアのリスクが大きくなります。

この骨盤帯の前傾を制限するものがハムストリングスになります。

つまりハムストリングスの柔軟性を出すことで骨盤が前傾しやすくなるのです。

単純なハムストリングスのストレッチは効果的なのか?

では単純なハムストリングスのストレッチは腰椎椎間板ヘルニアに有効なのでしょうか?

答えとして、あまり効果的でない場合が多いです。

よく腰椎椎間板ヘルニアに対してのハムストリングスのストレッチで背臥位になり、膝伸展位でのストレッチをしている人がいますが…

SLRと同じ姿勢であり腰椎への屈曲ストレスを増大するものであるので症状を強める可能性があります。開脚でのストレッチも同様です。

腰椎椎間板ヘルニアでハムストリングスのストレッチを行う際に重要なことは、
① 腰椎の屈曲が引き起こされないようにハムストリングスをストレッチすること
② 最終的にハムストリングスの柔軟性ではなく、骨盤帯の前傾を促すこと

一見、矛盾しているように思えますが闇雲にストレッチをかけるのではなく、骨盤の前傾を引き出すためにハムストリングスのストレッチをするのだということを念頭に置けば効果は劇的に変わってきます。

具体的にどのようなハムストリングスのストレッチをすべきか?

1.骨盤の前傾でハムストリングス起始部のストレッチを行う方法

座位になり、骨盤・脊柱をニュートラルポジションにセットします。その状態から脊柱の伸展位を保持しながら体幹を前傾させましょう。こうすることで腰椎椎間板へストレスをかけることなくハムストリングスのストレッチが可能です。この時、可能な範囲で膝を伸展させればよりストレッチがかかります。

注意点としては腰椎が屈曲しないことです。屈曲すると椎間板へ圧迫ストレスがかかりますので、注意しましょう。そのため、患者には腹筋でなく腸腰筋を意識させながら体感を前傾させることがポイントです。「胸を張りながら」と指示するとイメージしやすいかもしれません。

2.背臥位での動的ストレッチ

背臥位になり、腰椎の下にタオルやクッションを入れて腰椎を伸展位に保持します。その状態で大腿を抱え込むように把持し、膝の伸展を繰り返します。膝の伸展によりハムストリングスの動的ストレッチが可能です。

この動的ストレッチの良いところは患者さん自身に強度をコントロールしてもらえるところです。

坐骨神経の伸長による症状の出ないギリギリまでストレッチをかけることが可能なのでホームエクササイズとして取り入れても良いでしょう。

まとめ

腰椎椎間板ヘルニアに対してのストレッチをどのようにすれば良いか提案させてもらいました。

闇雲なストレッチは症状を強めてしまう要因です。どのようなストレスを与えたら症状が出るのか、どうしたら楽になるかを考えながらストレッチを処方してください。

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